DeNAはあなたにとって
良い職場ではない
かもしれません
事業の周りに人材を集めるのではなく、人材の周りに事業ができると考える私たちにとって、採用は生命線です。
採用は、一緒に新しいサービス、新しい「Delight」を生み出していく仲間探しです。また、階層的秩序よりも新しい発想を徹底して重んじるDeNAは、典型的な日本企業の文化に浸っていない新卒が頑張って独特な企業文化を築いてきました。その意味でも、新卒採用は極めて重要で、創業以来、いっさい妥協せず、社をあげて取り組んできました。
今では新卒だけでも毎年数万人がエントリーしてくれるようになりました。そのこと自体はとてもありがたく感じています。
しかし選考の中で少し不思議に感じることがあります。わが社を受けてくれる学生は皆、とても優秀で頭も良く、面接も上手にこなします。でも何か不思議と違和感がついてまわるのです。
この違和感とは──?
どうも、学生の皆さんが会社を受けた理由も、会社選びの重要な情報収集であるはずの私たちへの質問も、自分の言葉で話せていないように感じるのです。中には「どうすれば受けが良いか」だけを気にした振る舞いをする人も増えています。
採用は、学生と会社が互いの相性を見極めるプロセスなのに、何か装ってしまってはいないだろうか?偽ってはいないだろうか?
互いに素を見せ合っているのか。そんな疑問が大きくなってきました。
まず私たちについて考えてみると、反省するべき点が思いあたります。誰にとっても最高の職場、という間違ったニュアンスを伝えていなかっただろうか、ということです。
「永久ベンチャー」を標榜し、互いに高い意識を強く求めるDeNAは、実際は、あわない人にはとても辛い職場になります。DeNAは万人にとって良い会社ではありません。そのことをまずお伝えするべきだと考えるに至りました。
DeNAは、ただ優秀なだけではなく「思考の独立性」「逃げずにやり抜く力」が抜きん出て強い人には最高の環境、最高のチームだと思います。しかしそうでない人には良い環境とは言えません。この点について少し説明させてください。
「思考の独立性」
「こと」に向かう姿勢に一点の曇りもないメンバーが、それぞれ独自の考えを出し合って事業を推進して行くことを何よりも重視しているDeNAでは、場の雰囲気や権威に影響されずに、本当に独立した自分の考えを導きだせるか、そしてそれを発信できるかが高い次元で問われます。
権威のある誰かにおもねった発言や思考は論外ですが、同時に、正解を求めがちな人、正解がかちっと決まっている環境でないと居心地が悪い人にも向かない会社です。議論をしていても、自分の腹からの思いを問うのを忘れて、いつのまにか、どういう発言をするのが正しいのか、何が当たりか、を考えてしまう癖のある人は、DeNAでは、その癖を取り払うまではチームからの尊敬が得られず、スタート地点で大きく出遅れてしまいます。
「逃げずにやり抜く力」
どんなに頭がよく、スキルが高いエリートであっても、逃げずに最後までやり抜く力がそこそこな人には向かない会社です。成功のモデルを自ら壊してでも次に向かうDeNAには逆境はつきものです。逆境に耐えられる、では不十分で、逆境をむしろ楽しんで乗り越えるタイプの人でないと厳しい職場です。
人材は多様な方がチームが強くなると信じている私たちは、異なる個性を探しています。けれども上記の2点に関しては、やはり抜きん出て強い人材の集まりでありたい。それにあわない人にとって居心地の悪い会社になったとしても、この点に関しては妥協しない、というのがDeNAが一番大事にしている「素」と言えると思います。
選考において、皆さんの素の姿を知りたいと思います。その上でお互い意気投合すれば、そんなに幸せなことはありません。けれども、もし現時点で、自分の素は違う方を向いている、と感じる人は、別の方向を探すことを勧めたいと思います。