DeNA RECRUITMENT

Interview

業界トップデザイナーから見るDeNA

政尾 翼 Tsubasa Masao

ゲーム・エンターテインメント事業本部 / ゲーム事業部Develop統括部デザイン部 / コンセプトアートグループ

コナミ株式会社(以下、コナミ)(現・株式会社コナミデジタルエンタテインメント)、株式会社スクウェア・エニックス(以下、スクウェア・エニックス)を経てDeNAに入社。代表作:ANUBIS ZONE OF THE ENDERS/タクティクスオウガ 運命の輪/ファイナルファンタジーXIVほか多数。

  • チャレンジによるラッキーの連続でキャリアを勝ち取った

    ー これまでの経歴を教えてください。

    デザイナーを志望して専門学校に行って、ゲーム会社に入社しました。もともと絵は好きでしたが、イラストでやっていけるなんて思ってなくて、まずデザイナーから一歩ずつ勉強するくらいの気持ちでした。そのときは主にUIやドットのアニメーションを担当していましたね。ただその会社が僕の入社1年くらいで倒産してしまって、チームごと他に移るタイミングで僕も一緒に連れて行ってもらったんです。その会社がコナミでした。

    当時はゲームのビジュアルが3Dにシフトしていく時期で、「2Dゲームはなくなるんじゃないか」という危機感が自分の周りにあった頃でした。それで自分の今後を考えたとき、2D一本でやっていくのは(スキルやセンス的に)厳しいだろうと。ちょうどそのとき(メタルギアシリーズの)小島プロダクションに所属していて、小島監督に「雑用で良いのでアートをやらせてほしい」と作品と一緒にお願いしてみたんです。それでANUBISのキャラクターデザインをやらせてもらいました。まあ、その当時実績ゼロの新人にキャラクターデザインを任せるなんて「正気ですか」という気がしますが(笑)。もう少し段階的でも良かったんじゃないかとかね。実際しんどいことも多い現場でしたが、そのタイトルに関わったことで今の自分に繋がるきっかけを与えてもらったわけですから、それはもう、ただただ感謝ですよね。

    その後はスクウェア・エニックスに転職して、おもにファンタジー系のタイトルにかかわり、2015年からDeNAに、という流れです。

  • ゲーム開発は意外性があるからおもしろい

    ー ゲーム開発のおもしろみとは?

    アートといっても結局はゲームの中の一要素ですから、(ゲームに)フィットしたものをアウトプットする工程を楽しめるかどうか、という気がしますね。自分の中だけで完結するならチームで作る意味がないですし、お互い意見を出し合ってより良い方向にブラッシュアップさせていく。それがチーム開発のおもしろみなのかなと。

    ー チームでやるおもしろさとは?

    やっぱりそれは複数のスタッフの感性、自分に無いアイデアを楽しむということですね。発注に対してそのまま描くのではなく、なるべくプラスアルファしたものをアウトプットしていくという。上手くいかないこともありますが、その試行錯誤がゲームヒットの勝率を上げていくことだと思っています。特に骨格の部分、コンセプトを決める段階ではそのキャッチボールが一番大事ですね。多分それが自分のものづくりのベースになっていますね。

    ー DeNAに決めた理由を教えてください

    その都度色々なタイトルをやらせてもらって40歳になり「次の課題はなにか」となったとき、絵描きとしてはもう20代のようには出来ないし「5年後10年後、自分はなにをやりたいんだろう」と思ったんです。それはたとえばマネージメントや環境作り、自分の知識や経験を共有していくことなのかもしれないし、DeNAという会社のカラーを作っていく過程に参加することかもしれない。たぶん理由はひとつではなく様々ですね。

  • 様々な経験が出来る環境と仕事をしやすい環境をつくるスタンス

    ー 入社前に思っていたことと、現状のギャップとかありますか?

    やっぱりメンバーが若くてフレッシュですね。あとフットワークが軽いというのかな。たとえば歴史のある会社はそのノウハウが強みである反面、現場が無意識に狭めた作り方をしてしまうことがあると思うんです。「この作り方じゃないと駄目」みたいな風土があったりとかね。それは結果として若いスタッフの可能性を限定してしまうことになるので少し可哀相な気がしますね。勿論、一概に良し悪しはいえないですが、現状の作り方はプラスに働いている気がしますね。

    ー DeNAは新卒で行くのにはどんな環境ですか?

    コンシューマより開発のスパンも短いですし、様々な経験が出来る環境だと思いますよ。とくに若い人はいろいろな経験を積む事でどんどんスキルアップできると思うので、吸収したい人、チャレンジしたい人には向いているのかなと思いますね。

    会社に所属することは仕事として絵に向き合うことなので、絵に対して「アーティスティックなもの」という先入観があるなら、その考えは一度見直したほうが良いかもしれないですね。プロとして絵を仕事にするのか、アーティストとして絵を描くのか。それは別にどちらが良いわけではなくて、自分にあったチョイスをしましょうと。

    あと「仕事で描く」ことはけしてネガティブではなくて、やりがいやクリエイティブといったポジティブな面もたくさんあります。ビジュアルで矢面に立つしんどさもあります。そういう楽しいところとキツイところの両面があるもの、ということは知っておいたほうが良いと思いますね。

    あとは・・・やっぱりチャレンジする貪欲な気持ちは常に持っていてほしいですね。やる前から「自分にはできない」と決めつけてしまうのは単純に勿体無いですから。僕も常に課題を持ってチャレンジしてきたので、まずは勇気を持って恐れずチャレンジして欲しいですね。

  • ※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。

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