DeNA RECRUITMENT

10 ス ト ー リ ー

Game
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Kentaro Sugihara

目の前の安定を疑い 変化を起こし続ける

  • やりたいことは
    なくても良い、
    それよりも大切なこと

    「もともと“やりたいこと”っていうのがあんまりないタイプなんです。言い換えると、何をやるかにこだわりがないから全部を楽しめるタイプ」と自身を分析するのは、ゲーム事業部プロデュース統括部に所属する杉原健太郎。多くのプランナーが苦労するデータ入力や仕様書の整備といった“作業”と言われやすいことも好きで、毎回タイムアタックのように取り組み、前回よりも短い時間で完成させることを楽しんでいたという。
    「いつか、やりたいことが見つかった時に実力不足でやれないとか、必要とされないのはもったいないじゃないですか。やりたいことがやれる力を身につけるという意味では無駄なことはひとつもないので、日々の仕事を苦だと思ったことはほとんどないんですよね」

    DeNAに入社したのも、特別にやりたいことがあった訳ではない。
    「就活って“やりたいことを探せ”的なメッセージが強いから、それっぽいやりたいことを挙げている人も多い気がしますが、やりたいことがないまま会社を選んでも全然良いと思います」
    “やりたいこと軸”以外でも仕事は決められるという彼は、環境と人で選んだ。
    「どういう環境でどういう人たちと働きたいか、で選びました。この人たちみたいになりたいって直感的に思わせてくれる人がたくさんDeNAにはいたので。1〜2人たまたまそういう人がいるのではなく、会った人たちほぼ全員に感じました。ってことは、DeNAってそういう人になれる環境なんだろうな、と思えたのが自分にはかなり刺さりました」

  • 3年目での抜擢、
    プレッシャーとの
    戦い

    3年目の終わりに、転機が訪れる。数多くのゲームタイトルを有するDeNAの中でも大型タイトルのプロデューサーを任されることになったのだ。
    「1年目でそのタイトルにプランナーとして配属された時から、周囲に『絶対にプロデューサーになります』とは言っていたんですが、まさか本当にその大型タイトルのプロデューサーになるとは思っていませんでした。当時のプロデューサーも『なれるもんならなってみろ』みたいな感じで笑っていたので(笑)。ゲーム業界やゲームをつくる仕事のことを全然知らないし、周りも先輩だらけでしたが、それを言うこと自体に意味があると思って言い続けて行動にも表していたつもりなので、それが結果的に伝わったのかな、と思います」

    日々、先輩プロデューサーを観察し自分との差分を考え、自分がプロデューサーをやる場合に持たなければいけないスキルや心構えは、ある程度頭の中で整理できていたという。しかし、待っていたのは想像を超える大変さだった。
    「リリース時からすごく好調で、DeNAの中でもエースを張り続けてきたタイトルです。動く金額も大きければ、チームも100人を超える大所帯。事業面と組織面の両方の責任者になり、考えなきゃいけないことが一気に増え、さらに一個一個の意思決定の重要度も増しました」
    「僕がプロデューサーになってからも高い目標のプレッシャーが続き、結果を出すことを求められ続ける状況でした。一方で、チームメンバーには高い負荷がかかり続けている状態でもありました。さすがにこのままでは続かないだろうと誰もが思っていたと思います」

  • 目の前の
    数字のためではなく、
    お客さまのために

    タイトルの成長に併せて、組織も過渡期を迎えていた。チーム全体の負荷を適正なところまで下げつつ、リリースに併せて集結させていたベテランメンバーを次の挑戦に送り出し、チームに参加して日が浅いメンバーで回していかなくてはいけない状況だった。
    「そんな中で、ゲームという事業をしっかり理解しているのかも分からないような僕がトップに立つことになったんです。チーム全体が不安を感じるだろうし、バラバラになってしまう危険もあると思いました。なので、一番最初に“タイトルがどこを目指しているのか”の言語化とチームへの発信をやりました。このタイトルは、どういう体験を提供しなければいけないタイトルで、どんな人たちに向けてそれをやりたくて、だからこうあるべき、ここを目指してます、といったミッションビジョンのようなものをつくったんです」
    「ポイントはいくつかあるんですけど、最終的には“長く愛されること”を目標にしました。それまでとにかく数字を追っていたタイトルなので、隙あらば『今日の売り上げは?今月のユーザー数は?』ってみんなの意識がとにかく今の数字をどう上げるかっていう方に行っちゃうんです。そうではなく、これからは『お客さまにどれだけ長く愛してもらえるタイトルにするか』っていうのが重要なんですよ、と。『今は良いけど5年後はこれだと持たないんじゃない?』『それでお客さまは今より愛してくれる?』そういった投げかけがしやすくなりました。結果的に、本質的な“こと”にチーム全体が向かいやすくなったんじゃないかなと思います」

  • 正しい選択肢を
    選ぶのではなく、
    選んだ選択肢を
    正解にする

    少しずつ変わってきたチームは、“愛されること”を実現することになる。
    「ゲーム内に新しい機能をつくるという企画だったんですけど、開発を担当するチームに見積もってもらうと『1年とは言わないけれど9カ月かかります』と言われました。売上に直結するような施策じゃないし、どう転ぶか分からない企画だったんですけど、悩んだ結果やることにしました。ゲームをもうひとつつくるようなレベルだったので、途中で開発が遅延し雲行きがあやしくなることもあったのですが、無事リリースされた後プレイヤーさんに『求めていたのはこういうのなんだよ!』ってものすごく喜んでもらえました。やって良かったなって本当に思いました」
    「僕が普段から共感してる言葉があって“正しい選択肢を選ぶのではなく、選んだ選択肢を正解にする”というものなんですけど、選んだ選択肢を正解にするっていうのはこういうことなんだ、と実感しました。この選択肢を選んだのが正しかったからじゃなく、選んだ以上はやりきる、そして妥協せず最後までやりきった、だから正解になった。あの時点で何が正しい選択肢なのかを考えて選ぶのは、今振り返っても無理だったな、と思います」

  • 目の前の100点を疑ってみる、
    変革者の思考

    その後、新規タイトルのプロデューサーをしながらプロデュース部の副部長を務めたが、現在は運用中のタイトルでディレクターを担っている。
    「偉くなることにあまり関心がないというか、自分にとっては重要じゃないなと思ったんです。今、担当しているタイトルもそうですが自分が熱中して120%をぶつけ続けられる環境にいられる方が、結果的に成長が得られる。上のポジションに上がって行こうとすると、どうしても事業との関わり方が広く浅くっていう方向性になるなって。そうではなくって、ひとつのサービス、そしてそこにいるプレイヤーさんのことを深く考える方が、自分に合っていると思ったんです」
    新規事業やサービスの立ち上げ、そういったゼロからの挑戦が好まれる風潮があるが、彼の興味は逆を向く。
    「新規タイトルに実際に関わってみて、僕は既に世の中に出ているものの方がいいな、と思ったんですよね。一番大きいのはその時点でプレイヤーさんがいるかいないかってところなんですが、運用中のタイトルと組織って生き物のように日々状況が変わるので、これが100点だっていう形がないんです。むしろ、いい状態になったと思ったら、半月後には状況が変わってやり直し、とか(笑)。表面上は100点に見える状況でも50点と捉え、それをいかに100点120点に押し上げていくか、をやり続けるのが好きです」
    これからも、彼は目の前のプレイヤーとチームに向かってひたむきに走り続け、そして彼がいる場所には変化と革新が生み出されるだろう。

    ※本記事掲載の情報は、公開日時点のものです。
    ※一部、旧オフィスの写真が含まれます。

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