02 ス ト ー リ ー

Anyca
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Hikaru Baba

アイデアを 考えるのは簡単、 実現させるのは 難しくて面白い

  • HAPPINESS
    ONLY REAL
    WHEN SHARED

    「“幸せは共有された時に初めて現実になる”というこの言葉がすごく好きなんです」
    ある映画(※)に出てくるフレーズを思考の出発点として挙げてくれたのは、個人間カーシェアサービス『Anyca』の事業責任者を務める馬場光。

    「主人公は壮大な旅をして、最後にこの言葉を残すんです。自分自身も一人旅をよくしていたのですが、結局、旅そのものより一人旅に行って“こういう経験をした”ということを誰かに共有した時に、初めて昇華される感覚があったので共感しました。仕事も同じだと思っていて、届けたい理念を持って事業やプロダクトをつくっても、それを実現してShared状態にしなければ、全く意味がないと思っています」

    ※映画『イントゥ・ザ・ワイルド(Into The Wild)』:アメリカの優秀な大学生が、自由になるためにアラスカを目指す旅物語。

  • ハードルは高くて
    多いほど面白い

    前述の言葉通り、彼は『Anyca』というサービスを立ち上げからリリースまで担当。shared状態にし現在に至る。
    日本では解決しなくてはいけない課題が多いと言われていた個人間でのカーシェアサービスに臨んだきっかけは、自身の体験からだった。
    「入社2年目でクルマを購入したんですけど、車検や税金、駐車場代など維持費が想像より高かったんです。クルマを買っても実際に乗るのは月1~2回くらいで、コスパが良いとは言えませんでした。その頃、ちょうど日本でもAirbnbが注目されるなど、シェアリングエコノミーという考え方が知られるようになってきていたタイミングだったこともあり、クルマを所有するオーナーと利用するドライバーがWin-Winの関係になれる個人間カーシェアを日本に広めたいと思い、会社に提案しました」

    そこからサービスリリースに向けて多くのハードルがあったが、成功させたらどうなるか?を考え乗り越えたという。
    「ハードルは高ければ高いほど、そして多ければ多いほど面白くて。グレーゾーンと思われがちな個人間でのカーシェアを適法に行うための仕組み構築や、安心できる保険を提供するための保険会社とのシステム連携など、難しいことばかりでしたが難しさに比例して“ワクワク”も大きくなりました。例えば目の前にあるハードルが法的なものだった場合は、法律をつくった人は何を考えてつくったんだろう?と考えるんです。そうするとその当時、日本が抱えていた課題や社会情勢といった背景も見えてきて…。ハードルそのものにも好奇心が誘発されるんです」

  • リリースは
    ゴールでは
    なかった

    こうしていくつものハードルを持ち前の好奇心によって乗り越え、2015年に『Anyca』はリリースされる。しかし、今度はサービスを実際に始めたことで見えてきた課題に悩まされることになる。個人間ならではのトラブルが発生し、ユーザーが安心して使えるような対応スキームの構築が不十分だったのだ。
    「『Anyca』はみんなが幸せになれるサービスとしてリリースしたのですが、実際に利用した方から聞こえてくる声に耳を傾けると不満の声が上がってきていたんです。何が必要なのか、どうしたらみんなが幸せになれるのかを改めて整理しました。そうして見えてきたのは、個人間だからこそ安心・安全に使えるようなスキームが必要だということ。サービス仕様の見直しを進めるとともに、個人間カーシェアにおける“保険”も根本から改善したいと思うようになりました」

    根本からの解決を目指し、『Anyca』は、SOMPOホールディングスとタッグを組み合弁会社『DeNA SOMPO Mobility』を設立。心強いパートナーと共に、より健全なサービスとコミュニティ形成に向けて歩み始めた。
    「これまでは、DeNAが持つ知見からサービスとして安心・安全をどう担保すべきか考え、機能追加や仕様変更で改善を行ってきました。これからは、保険会社の視点も持って、個人間カーシェア固有のリスクや予防策などについて議論を深め、サービスに反映していきます」

  • 事業家であり続けたい

    自身のキャリアについて聞いてみると「これからも、事業やサービスを世の中に生みだしていきたい」というシンプルな答えが返ってきた。

    「サービスや仕組みを思い付くのは簡単で、それを実現させようと考えていくうちに、課題に気付く瞬間がいっぱいやってくるんです。だいたい、そこでみんな止めてしまう。そこを面白がれたから、今の『Anyca』があるんだと思っています。いくら知識や経験を重ねても、良い企画を思いついても、それを世の中に出して、多くの人に届いている状態にしないと意味がないですから」

    冒頭で彼が好きだと言った“HAPPINESS ONLY REAL WHEN SHARED”という言葉に戻る。
    この言葉を残した主人公は、世の中に共有することはできずに旅を終えるのだが、彼は『Anyca』を世の中に生み出した。そして、また新たなものをSharedするための旅を始めている。新たな出発点に立つ彼は、次はどんなものを見せてくれるのだろうか。

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